その②「CTうるさい、MRI眠たい」

腹だけフランケン

そして、ここからしばらくはヤバい奴の正体を確認するためにさまざまな検査が続いた。

昨今の医療は画像検査が診断のために活用される。CTにMRIと手を変え品を変えわが肉体を切り撮ってくれるのである。隠しごとなんかしても無駄な抵抗、体の中の中までお見通しなのよ〜んである。

まずはダイナミックCTだ。ガランガランとにぎやかなドーナツの中に寝てX線を使った検査を受けるのだが、はっきりした画像を撮るために造影剤が使われる。「はい、それじゃおクスリ入れていきますねぇ」というアナウンスとともに、腕に刺さった針から血管に熱いものが流れ込むや、身体中をズゴいスピードで伝わっていく。例えるなら、アルコール度数55°のウォッカをあおった時の喉から胃までを伝わっていくあの感じの全身版である(あぁ、よけいにわからないか…)。おぉっ、オレの血管はこんなところを走っているのかと妙に納得してしまったのであった。

これに対してMRIも同じようにグルグルドーナツなのだけれど、一定のリズムのBGMが流れている。人間ってやつは一定のリズムに身体が同期するようで妙にリラックス、しかも寝台がホカホカと暖かい上に、こちらの造影剤は熱くもない。その結果ウトウト…「寝ないでください」とマイク越しに注意されてしまった。すみません。

そして、結果的に「肝細胞癌」という嬉しくもない判断とあいなった。しかもそのブツは2センチ弱とまだ小さいものの、腹の奥底レバーの裏側あたりにあり、すぐ近くには大きな血管や消化器官もあるという厄介な場所に鎮座ましましているのだという。何でまたよりによってなのである。

しかし、戦うべき敵がわかったのだ。こうなりゃやるしかないだろ!

それにしてもエコーを担当してくれたドクターが、よく見つけてくれたものだ。検査数値がすべて正常という先入観に惑わされず、画像の些細な変化に気がつくなんてなかなか出来ることじゃない。本当に感謝しかない。