そしていよいよ収監…いや元へ、入院に日を迎えた。まずは担当ドクターが手術の説明をしてくれる。デスクの壁側がライティングボックスになっていて、レントゲンの写真を抜き差ししながら、ドクターが説明するなんて光景(昭和やな…)かと思いきや、実に明るいミーティングルームにノートPCとモニターというライトなテイストに拍子抜けしてしまった。しかもモニターに映し出されているのは、自分の肝臓の3D画像ではないか(自分で見たことがないのでたぶんそう)、血管や胆管も色分けされていて一目瞭然!しかもその画像が画面の中でくるくる回る回る!
その画像を使いながら説明が続く、「ここに病巣があるのでこの辺りを切ります。奥の方なので場合よってはこちら側を切ることもあります。この場合は…(カチャカチャとマウスで範囲を指定するとすかさず容量が数値化され示される)…肝臓全体の約32%を取ることになります」
画像の説得力たるやスゴイものである。人間は情報の85%を視覚から得ているとも言われるので、こうやって目に見える形で示されるとよくわかる。もちろんわれわれ患者にとってだけではなく、手術をするドクターにとっても重要な情報となろう。その昔、「白い巨塔」ではクラシック音楽の流れる中、財前先生がオペのシミュレーションをするシーンがあったように思うが、いまやそれも具体的に眼の前にあるようにイメージできるに違いない。
しかし、これほど精巧に臓器を映像化できるのは、検査機器によってわれわれの身体が数値化されているということなわけだ。そう考えていたらディスプレイの中の肝臓3Dの背景にあの映画「マトリックス」オープニングの緑色の数字が現れ、上から下へと滝のように流れていくような錯覚を覚えたのだった。あぁデジタルってこうゆうことなのねと、くるくる回る自分の肝臓画像を観ながら妙に納得してしまったのだった。

