その⑫「日々これ進化?」

腹だけフランケン

病棟に戻って四日目、少しづつ身体の管も取れて食事も口から入れられるようになった。といっても五分粥に淡白なおかずが少し…これじゃカロリー不足じゃないのかと思ったけど、栄養の点滴もまだ入っているから逆にカロリーオーバーになるんじゃないのかと心配になってしまった。毎朝、自分で体重を測って申告するのだが、これだけ食事制限がかかったらさぞやスゴい減量になるのではないかとちょっとウキウキしながら体重計に乗っていたのだった。「おっ、あと少しでリミットや!」などと嬉しがりながらも結局、スーパーフェザー級から2階級ダウンのスーパーバンタム級まで落とすことに成功した。これで井上尚弥と戦えるぞと思ったりしたが、彼は筋肉だけであの体重、こちらは筋肉落ちてこれだからお話にならならない。それに最近、走るという行為すらしたことがないので1ラウンドももたない。

そして、病棟に戻って5日目、最後の点滴もはずれいよいよ自由の身となった。これで動けるぜと朝食をすましてすぐにスマホ持ってウキウキと地下のコンビニに向かう。何かまだ病院の中なんだけど、少し社会に出たような気がした。朝から勤務の医療従事者の方々とともにコンビニの例に並びホットコーヒーLを買って、意気揚々と病室に引き上げる。本日の社会との接点はこれにて終了。

せっかく自由になったのだからと、何を思ったのか地下から病室まで階段で登れば運動不足の解消になるのではないかと思ったりしたのが運の尽き。病室は9階、地下からだと10階分も登らなきゃならないが、これくらいどうってことないだろうと思っていたのだが7階くらいで息が上がりはじめ、人気のない階段ホールでぶっ倒れたりしたら見つけてもらえないんじゃないかと不安になりつつへいへいの体でベッドまでたどり着いたのだった。これに懲りて「院内垂直トレッキング」は二度としなかった。リハビリは少しずつ負荷かけなきゃいけませんね。